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Tue 11 Mar 2008, The Royal Ballet

A month in the countryElectric Counterpoint
エレクトリック・カウンターポイント
Music by J.S. Bach, S. Reich, Choreography by C. Wheeldon


Afternoon of a Faun
牧神の午後
Music by C. Debussy, Choreography by J. Robbins


Tzigane
ツィガーヌ
Music by M. Ravel, Choreography by G. Balanchine


A Month in the Country
田園の出来事
Music by F. Chopin arranged by J. Lanchbery, Choreography by F. Ashton




ロイヤルバレエのミックスプロに行ってきました。

今回のお目当ては、以前ビデオでちらっとだけ見た、ツィガーヌと田園の出来事。特に田園の出来事は、アシュトンの振り付けたパ・ド・ドゥがとてもきれいだったので、一度全幕で見たいと思っていたのです。

しかし、この公演の目玉はもう一つ、新鋭振付家のウィールドンの新作でもあった様子。ウィールドンはロイヤル出身で、ダンサーの登竜門、ローザンヌ国際コンクールで金メダルを取ったほどの実力あるダンサー。しかし元から振付に興味があったらしく、20歳でNYCBに入団、26歳で常任振付家に就任。まだ現役バリバリの30代なのに、今は自分のカンパニーも旗揚げし、もっぱら振付の仕事で忙しくしている身だ。

そんな彼の新作。(実は私自身、ウィールドンの振り付けを見るのは初めて。ローザンヌのソロ以外は。)ダンサーのドキュメンタリーのような構成になっており、映像も使い、舞台、演出、振り付けのすべてがすごくモダン。「モダン」という言葉よりも「コンテンポラリー」。未来的ともいえるような…。とにかく時代の先端を行っているという感じ。

そのあとはまるで時代をさかのぼるようなプログラム。

次はロビンスの「牧神の午後」。こちらは古典の話とは違い、バレエのレッスン上でのカップルの踊り。午後のまどろみの中、二人のダンサーが引き寄せられるように踊り、また去っていく、という感じ。

そしてウィールドン、ロビンスとのNYCBつながりで、次はバランシンのツィガーヌ。私の中のバランシンは、ジュエルズやシンフォニー・イン・Cといった、クラシックの音楽をバレエで体現、といったイメージで全くストーリーがなくてあまり好きではないのだけど、この作品は珍しくジプシーっぽい作品。なので、見てみたかった作品の一つ。

そして最後にアシュトンの「田園の出来事」で、一幕ものの物語。ひと夏の休暇を過ごす上流階級の幸せな一家。美しい夫人・ナタリアは息子の美しい青年家庭教師にひかれるが、養女も彼のことを好きで…、というとっても昼ドラ的な内容。しかし主演のヤノウスキー演じる夫人の踊り、そしてショパンのピアノがとても美しく、まるでロマンチックな小説を読んでいるかのよう。

…というラインナップ。私個人的には最後の「田園の出来事」が期待を裏切らず素晴らしい出来でした! どのような作品かは、こちらのビデオでチラ見できます。

Macarova & Dowell



レビューはこの下からどうぞ。

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Cast

Electric Counterpoint

Ricardo Cervera, Laura Morera, Deidre Chapman, Martin Harvey


Afternoon of a Faun

Alexandra Ansanelli, Ivan Putrov


Tzigane

Tamara Rojo, Carlos Acosta

Helen Crawford, Nathalie Harrison, Kristen McNally, Pietra Mello-Pittman,
Ernst Meisner, Fernando Monstano, Erico Montes, Sergei Polunin,



A Month in the Country

NATALIA PETROVNA Zenaida Yanowsky

YSLAEV(husband) William Tuckett

KOLIA(son) Ludovic Ondiviela

VERA(ward) Bethany Keating

RAKITIN Gary Avis

KATIA(maid) Vanessa Palmer

MATVEI(footman) Sergei Polunin

BELIAEV(tutor) Rupert Pennefather



まず、ウィールドンの新作。冒頭、まるで鏡のように映像を使っている。しかし踊りが進むにつれ、ダンサーと鏡にずれが生じ、鏡でないとわかる。ダンサーはバッハの音楽と、ダンサー自身の語りをバックに踊っていく。語りは、よく覚えてないけど、冒頭は鏡を使って鏡に見せて)の演出だったので、リハしてる時の自分と鏡の関係、みたいなダンサー自身のドキュメンタリーのような内容。

ダンサーたちは最初クラシックなコスチュームを着ている。(特にビデオの中の女性。クラシックチュチュとロングドレス)舞台上ではそれをちょっと崩して、チュチュの女性はチュチュを途中で脱いだり、ロングドレスの女性は舞台上のダンサーはワイドパンツのようなものを履いている。4人それぞれのソロが終わると、今度は4人ともシンプルなレオタード。そして音楽もギターのみのコンテンポラリーな音楽に。そして映像を使って視覚をフルに使った演出とともにコンテンポラリーが踊られる。

振り付けはまるで「イン・ザ・ミドル」のフォーサイスのような鋭角的なダンスという印象。(フォーサイスをあんまり知らないのであくまでも印象ということで…)。内容は…私はちょっと捉えにくかった。やっぱり明確なストーリーがあるほうがいいな…。ダンサーで印象に残ったのは最初のチュチュのソロを踊ったモレラ。アダージオのゆっくりした動きを丁寧に踊っていた。

牧神の午後。去年ぐらいにアコスタで見たけれど、あんまり記憶に残っていない…。しかし今回はプトロフのナルシストぶりが舞台に引き入れてくれた。DVDのくるみ割り人形役が印象に強いので、こんなに大人っぽいダンサーだとは思わなかった。彼のおかげでロビンズの美しいパ・ド・ドゥということを再発見できた。

ツィガーヌ。今回のお目当てのひとつ。スザンヌ・ファレルのドキュメンタリーでちょこっとだけ見て、ちょっと違うバランシンだな、と思って、見てみたかった作品だ。思った通り、カチカチのクラシックではなくてジプシーの振り付けが新鮮。そしてメインの男女がまるで駆け引きするかのようなダンスでストーリーを紡ぎだす感じがよかった。

ロホの小さい体がとても大きく見えた。こういう情熱的な踊りはやっぱりとてもあっている。ポワントワークも難しそうな作品だけど、今回はいつも彼女が魅せているテクニックよりも、演技面のほうが光っていた気がする。アコスタもテクニックではそんなにぱっとしなかったけど、踊りを楽しんでいたという感じ。

今回最大の目的の「田園の出来事」。今までのモダンな作品から一転、クラシックな雰囲気に。話の筋はちょっときいていたけど、ほんとうに20世紀初頭のロマンチックな小説のよう。

とにかく、ヤノウスキーが女優。スタイル、たたずまいはもちろんだけれど、上流階級の夫人を演じるにふさわしい気品もとなっていて、とても役にあっている。プリマ・バレリーナの品格・オーラみたいなものが舞台から感じられた。とても初役とは思えない!

アシュトンの流れるようなリフトが美しい振り付けが、ショパンの叙情的なピアノと一緒になって、(ピアニストも素晴らしかった!)とても官能的でロマンチックな世界が出来上がるのだけど、ヤノウスキーの演技がそれに加わると、台詞が聞こえてくるようなダンス、というよりは、それを超えて、もっと詩的で甘美な美しい言葉でつづられた小説、または詩を読んでいるかのよう。特にベヤリエフとナタリア夫人のパ・ド・ドゥは目を離すことができないほど、ため息が出る美しさ。

ロミオとジュリエットのように、演劇をバレエ化した作品はいくつもあり、台詞が聞こえてくるようなドラマを見せるバレエはいくつもあるけれど、この作品は演劇を超えて、演劇でも小説でも音楽でも表現しきれない、バレエだけがなせる物語・感情の表現を見事に表した作品だと思う。詩でも長編小説でも味わえない、甘美で濃厚な短編小説を視覚化したような作品。公演回数が少ないのが本当に残念。

ベヤリエフのぺネファザーは甘いマスクで役にピッタリの雰囲気。前にもこの役を踊ったことがあるので、役をものにしているよう。コーリャ役のオンディヴィエラは、以前熊川哲也が踊ったヴァリエーションを見たことがあるのでどうしても比べてしまったけど、思ったより悪くなかった。女性陣も悪くなかったけど、どうしてもヤノウスキーに目を奪われてしまって、あんまり記憶にない…ごめんなさい。

この作品はもう一度見たいけど、別キャストよりはもう一度このキャストで見てみたい。それくらいヤノウスキーのナタリアは素晴らしかったです。プトロフのベヤリエフは見てみたいかな。近いうちの再演を望みます。



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