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The DreamWed 21 May 2008, The Royal Ballet

Dances at a Gathering
ダンシズ・アット・ギャザリング

Music by F. Chopin, Choreography by J. Robbins

The Dream
夏の夜の夢

Music by F. Mendelssohn arranged by J. Lanchbery, Choreography by F. Ashton


ロイヤルバレエのダンシズ・アット・ギャザリングと夏の夜の夢を見てきました。

今回の目的は「真夏の夜の夢」。シェイクスピアの有名喜劇をアシュトンが1幕バレエ化したもの。

森の中で妖精の女王ティターニアと妖精の王オベロンがけんかをした。腹いせにオベロンは、媚薬を使ってティターニアがロバ頭の男(森に来ていた職人で、オベロンが魔法でロバ頭にする)に恋するように仕向ける。そんなときに駆け落ちしにきたハーミアとライサンダー、そしてハーミアの許婚ディミトリウスと、彼を思うヘレナがやってくる。オベロンの部下のパックがいたずらでライサンダーとディミトリウスに媚薬を使い、二人がヘレナを好きになってしまって、あら大変、というお話。

見どころはシェイクスピアの軽快な喜劇のバレエを、演劇バレエのお得意なロイヤルバレエが演じるところ。さすが演劇の国のバレエ団だけあって、ダンサーたちのダンスはまるで台詞が聞こえてくるよう。そしてもう一つは、軽快なのはバレエだけでなくて振り付けのフットワークもそうであるということ。難解な足さばきが有名なアシュトンのバレエで、メンデルスゾーンの軽快な音楽にのせられた華麗な足さばきはまるでめまいがしそうな目まぐるしさ。ソリストだけでなくコール・ドにもこの難解なステップが要求されるが、そこはアシュトンをお家芸としているロイヤルの訓練の賜物が堪能できる作品です。

こんな作品です。(映像はAmerican Ballet Theatre)


ちなみに、結婚式で流れる有名な結婚行進曲はこのメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の一曲です。


同時上演作品のダンシズ・アット・ギャザリングは、ミュージカル「ウェスト・サイド物語」で有名なジェローム・ロビンスの作品。彼はもともとバレエの振付家なのです。

名前の通り、彼がショパンの曲に合わせてさわやかなダンスを集めた作品。踊りだけで明確なストーリーがないのですが、一人で踊ったり、2人で踊ったり、5人で踊ったり、10人のダンサーが入れ替わり立ち替わりする中で、ダンサーたちのやり取りも見られる面白い作品。甘いデュエットもあれば、2人の女性が一人の男をとりあったり、一生懸命誘惑するのに誰も踊ってくれない、というようなソロもあったりで、とてもユニークなダンス。

振り付けはクラシックがベースですが、純クラシックのバレエでは見られないような面白いリフトや振り付けがあって、クラシックを知り尽くした人にも楽しめるし、逆にダンスを知らない人には両方を味わってもらえるのでお得な作品。ショパンのピアノ曲から、それこそいろいろな種類の音楽を集めており、マズルカでキャラクターダンス、甘いワルツ、優雅なアダージオでクラシック、などなど、いろいろなダンスを堪能できます。

こんな作品。(踊っているのは元パリ・オペラ座のイザベル・ゲラン。)




キャストで注目は、夏の夜の夢に期待のソリストMacRaeがオベロンに抜擢されているところ。ダンシズ・アット・ギャザリングでは10人のダンサーほぼ全員が主役といえる作品なので、たくさんのプリンシパル、ソリストが一度に見れる作品でもあります。女性ダンサーに、ロビンスをお家芸とするニューヨーク・シティ・バレエからゲストとしてイヴォンヌ・ボレを迎えています。

私は以前から見たかったコジョカル・コボー組をわざわざ予約したというのに、コジョカルがけがで降板!! しかし代役のマルケスは思ったよりとてもよかった。ダンシズ・アット・ギャザリングではアコスタはじめ、ベンジャミン、カスバートソン、そしてゲストのボレ、といったベストメンバーでした。

キャスト表とこの日のレビューはこの下からどうぞ。

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Cast

Dances at a Gathering

PINK Yvonne Borree(Guest Principal from New York City Ballet)
MAUVE Lauren Cuthbertson
APRICOT Laura Morera
GREEN Leanne Benjamin
BLUE Samantha Raine

BROWN Carlos Acosta
PURPLE Martin Harvey
GREEN Federico Bonelli
BRICK Ricardo Cervera
BLUE Johannes Stepanek


The Dream

TITANIA Roberta Marquez(Replacement for Alina Cojocaru)
OBERON Johan Kobborg
PUCK Paul Kay

BOTTOM Bennet Gartside
RUSTICS Ryoichi Hirano, Fernando Montano, Erico Montes,
Sergei Polunin, Jonathan Watkins


HELENA Vanessa Palmer
DEMETRIUS Thomas Whitehead
HERMIA Francesca Filpi
LYSANDER Joshua Tuifua

PEASEBLOSSOM Bethany Keating
COWEB Yuhui Choe
MOTH Helen Crawford
MUSTARDSEED Hikaru Kobayashi


Dances at a Gatheringまずはロビンスの「ダンシズ・アット・ギャザリング」。

またまた別の作品と勘違いして、モダンなものだと思ってたんだけど、全然そんなことはなかった。まずはアコスタがソロを披露すると、続いてさわやかなボネリとカスバートソンのカップルが登場。ボネリはルックスからしてとってもさわやか。そして踊りも決める時は決めるけど、ノーブルに美しく踊る様はとっても爽やか。相手役のカスバートソン、ソロでは初めて見ました。踊ってる時は誰だかわかってなかったのですが、あとから配役表を見てびっくり。もっと若いと思ってたのに、とっても落着きがあって貫禄ある経験を積んだソリストという感じ。とても優雅でした。

ゲストのボレはハーヴェイとデュエット。ロビンスの難しいリフトを難なくこなすさまは、さすがNYCBという感じ。ハーヴェイは相手役として申し分なしの落ち着きと貫録。ソロでもうちょっと見たかったところ。

かろやかなソロを踊ったモレラは、自身のテクニックを申し分なく発揮。早いステップを正確にこなし、かつ上半身は軽やかに優雅に。まるで小鳥のようでした。後でモレラとデュエットを踊った(ベンジャミンだったかな…)Cerveraもフットワークが軽やかでよかった。見せ場は少なかったけど、さわやかな印象を残しました。

アコスタは最初のソロはスローでちょっと合ってないんじゃ、と思ったけど、後半は持ち前の魅力を存分に発揮できるものでした。作品的にもお茶目なところがあっていると思う。ジャンプも高く、続く早いステップも正確で優雅。

後半から出てきたベンジャミンはソロで、お茶目な役柄を披露。役柄はかわいいけど、その踊りからは経験あるプリンシパルの実力が感じられ、とても素晴らしかった。長い腕を生かした美しいアームスと細やかで優雅なステップ。もっと見てみたかった!

作品自体は明確なストーリーがなく、下手すれば延々と続くディヴェルテスマンだけれど、ひとつ一つの曲にはダンサーたちが絡む会話のようなものがあり、(一人の男を二人の女性でとりあったり、女性が誘惑したり、など)そのおかげでずっと見ていても飽きずに楽しいものになった。また、ロビンスの振り付けがとても新鮮。クラシックのボキャブラリーにはない新鮮なリフトが突然出てきたりして、初めて見るクラシックバレエファンにも面白く、それを豪華なソリスト陣が踊ってくれるので見ごたえがあるものになった。


お次は今日の目玉、夏の夜の夢。…とはいうものの、コジョカルを見に行っただけあって、キャスト変更のショックは大きい…。一緒に行った人は先週にミックス・プロを踊っていたコジョカルを見ているので突然のけがなのでしょう…。残念。

しかも彼女は以前にも「眠り」でコジョカルの代わりのマルケスを見ているのですが、その時の踊りが悲惨だったらしく、私もちょっと不安に。かくして幕が開きました。

冒頭からコール・ドによるアシュトンステップの嵐。妖精たちが細かいパ・ド・ブレで森を駆け抜けます。これを踊るのは本当に大変だろうな…。4人のソリストの中でもキーティングとチェが優雅で目を引く。

さて、登場のオベロンとティターニア。オベロンのコボーは安定したテクニックとおおらかな演技で王の貫録、ばっちり。期待通りの出来で大満足。

対するティターニアのマルケス。…思ったより悪くなかった!! テクニックも申し分なく、むしろアームスと美しい脚を駆使した表現はとてもドラマティックに感じた。…欲を言えば顔の表情。体の表現はとてもよかったのだけど、顔がどうにも氷の女王という感じがしてならなかった。(私だけ?)高飛車な女王という感じがして、冒頭は怒っている演技だからよかったものの、恋に落ちてから、仲直りしてからなどもうちょっと柔らかい表情になってもいいんじゃないかな、と思ったり。まだ怒ってるの?と感じてしまう…。…とはいえ、顔のつくりの問題だったらごめんなさい。(人のこといえない。)

パックのケイは「リーズの結婚」のアランや、ピーターラビットでリスのナトキンを持ち役としており、この手のおどけた役はお手の物。連続するジャンプは高さを衰えさせず、回転もスピードを落とさず、つかれる役なのに全くその気配を見せない、元気なパックを演じていた。

カップル役の4人は、ダンスよりも演技で見せる役だけど、その演技がとっても良かった! もちろん踊りもあるし、とてもよかったけど、なんといってもコミカルなその演技に目を奪われた。喜劇なのでコミカルで大げさな演技だけど、まるで台詞が聞こえてくるかのよう。特にハーミアとヘレナの迫真のけんかシーン(平手打ちでひっぱたき合い)では、本当に舞台から「Ouch!!」という声が聞こえてくる(たぶん二人のどっちかが言ったと思うんだけど…)ほどの体当たり演技で、それがまた観客の笑いを誘っていた。

ボトムのガートサイドは、見た目からして観客の笑いを誘うおいしい役。しかしおどけたギャロップや、被り物をとってからも人間としての表情がくるくる変わって印象的だった。

もっと長い話かと思っていたけど、簡潔にきちんとまとまっていてよかった。冒頭から妖精の目もくらむような早いステップで観客を踊りとともにおとぎ話の中へ引きずり込み、コミカルな演技でさらに話に引き込んだら、早い話の展開でスムーズにエンディング、そして甘いアダージオで飾って、コーダで閉めるという具合。アシュトンのステップが本当に難しそうだけど、それこそを何回も見てみたい作品になった。
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