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Alice in Wonderland3. Jan. 2007 English National Ballet

Alice in Wonderland
不思議の国のアリス

Choreographed by Derek Deane, Music by P. I. Tchaikovsky 

Cast
Alice Lisa Probert

White Rabbit Pedro Lapetra
Caterpillar Laurent Liotardo
Tiger lilies Asta Bazeviciute, Zhanat Atymatayev

Mad Hatter Fernando Bufala
March Hare Yosvani Ramos
Dormouse Kei Akahoshi
Queen of Hearts Sarah Mcllroy
Knave of Hearts Arionel Vargas
Dream Alice Elena Glurdjidze

And Artists

これまただいぶ前ですが。ENBの年末年始公演のアリスを見てきました。アリスは子供のときから大好きな話なので、バレエ作品はどうしても見たかった!! そしてとうとう見ることができたわけです。どこかで見た公演ポスターはアリスの世界そのものだったのですごく期待していきました。

冒頭はお姉さんとのシーン。お姉さんとふざけあうパ・ド・ドゥはとても自然でよかった。その後白うさぎが現れてアリスは穴へ…。穴へ…穴がない。そりゃそうだ、舞台だもん。ここがちょっとわかりにくかったですが、そこはマジックでカバー。穴に落ちるところは宙づりにでもするのかと思いましたが、違いました。セットをすべてどけて、物が飛び交うという演出。そこにトランプの国の住人やらも入り乱れて…(この時点ではそれがトランプの兵隊ということはわかりにくかったですが)。その中のトランプの兵隊の胴体が上下真っ二つに!! というマジックが不思議さをアピール。

それではお次のアリスのサイズが変わるシーンは?? これはドアの大きさと遠近法でカバー。ちょっとわかりにくいっちゃわかりにくかったですが。さて何やらかんやらあって、ドードーと動物たちが出てくるシーン。…ドードーはどれだっ! わかりませんでした。ドードーは結構象徴的なキャラクターなのに…(このシーンでは、という意味で。)キャストに名前があるのでいたらしいのですが。動物たちとアリスでペアを組んで踊るシーンもアリスの相手はサルだったし。サル役はうまかった。Medhi Angot。

アリスが白ウサギの家の中で大きくなるシーンはカット。次はイモムシ。この振り付けは私は好きでした。柔軟なグランプリエを駆使してイモムシらしい動きを表現。ダンサーもよかった。

一幕の最後は花園のシーン。厳密には「鏡の国」に出てくるシーンですが、ディズニーもやってるし。花園とくりゃー、やっぱりクラシックバレエでしょ、ってことで普通にバレエでした。鬼百合のカップルと パンジーの二組のカップル、あとはコールドバレエで典型的なクラシック。アリスだから私にはちょっと違和感がありましたが…。ちなみにこの作品のターゲットは子供。(たぶん。)それを前提に作ってるからか、お話に忠実にありつつも、こういったバレエのイメージを大切にしてるのかなーと思いました。パンジーカップルの一人、日本人の人だと思われるKou Senriさんが抜き出てよかった。

二幕は公爵夫人のシーンから。公爵夫人は男性が演じ、リーズの母親のようなキャラクターダンス。料理人役は原作にとても忠実な格好でした。そしてチェシャ猫のシーン。残念ながらこのチェシャは存在感があまりなかったといわざるを得ない…。振付家もあんまりこのシーンに執着していたとは思えない。ディズニーや実写の映画でもチェシャ猫は目立っていたし、後半のアリスの道しるべ的役割として結構重要だと私は思ってますが。この作品では振り付けもそんなに目立つものではなかったです。まあ、のらくらしたキャラクターなので踊る感じじゃないですけど…。挙句の果てに裁判では陪審員の一人になってました。

そしてお茶会のシーン。ここは今作品で一番よかったシーンでした。キャラクターは原作に近いし、ダンスも申し分なし。ダンスだけでなくコミカルな動きでストーリーを進めるところもよかったです。Dormouseの赤星さんがコミカルに演じていてよかったです。

さて、トランプの国のシーン。トランプたちは女性コールドバレエがびしっとそろえて踊ります。別に女性だけじゃなくてもいいのに。というのが感想。ハートの女王様は脅威の存在をダンスで表現。大きく、そしてきびきびとした動き。もっと踊ってほしかったくらいです。そのあとに亀もどきとグリフォンの浜辺へ行きます。そこでなんやかんやあってからなぜかアリスは眠りに落ち、夢の中へ…。そこでなぜかハートのジャックとパ・ド・ドゥ。何で!? ストーリーとまったく関係ないじゃーん。ま、でも夢だしね。ってことでそれもありかも、と思っちゃう。パ・ド・ドゥを入れたことでバレエの王道クリア、という感じでしょうか。

全体的には原作のエピソードをちゃんと踏んでいるし、コスチュームも原作に忠実に作っていて初心者、特に子供にはわかりやすいかもと思いました。それだけでなく花園のシーンやアリスのパ・ド・ドゥなど、バレエに欠かせない踊りも入れたりで、バレエ入門の人がバレエってどんなものか見るのにもいい作品だと思います。ENBは学割や子供無料招待、30歳以下の特別オファーなど、初心者獲得に積極的。レパートリーもベーシックなものが多いのでロンドンに来たついでにバレエでも、という方へ気軽に行けるのでお勧めです。

*ちなみにこんなエピソードも。
私は常に学生スタンバイを買うのですが、この日チケットオフィスで並んでいると、ある女性が10ポンドでチケット売ってあげると話しかけてきた。学生スタンバイは15ポンドなので、安さに惹かれてお買い上げ。ところが席に着くと、そこは私の席なんだけど、と別の女性。チケットもちゃんと持っていらっしゃる。確認するとその女性はだいぶ前にチケットを盗まれたとか。私にチケットを売ってきた女性はその盗難チケットを売りつけられたらしい。劇場側に私は被害者だと訴えても、この取引はうちとじゃないから、と断られ。劇場に出ると、あの女性がカフェでのんきにスナック食べてるので、お金返せといったら、「私も被害者だもの。あたしもうお金ないし、あんたも誰かに売れば?」この女性のふてぶてしさに口あんぐり。もう2度と人からは買いません。
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