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Sun 24 Feb 2008, London Coliseum

Flight - A ballet gara in memory of the renowned dancer Maris Liepa
マリス・リエパ記念ガラコンサート

ロンドンで行われたマリス・リエパを偲ぶガラコンサートに行ってきました!

マリス・リエパは黄金期のボリショイ・バレエで活躍したダンサー。高度なテクニックと表現力で、マイヤ・プリセツカヤなどの相手役で好評を博しました。また、後輩ダンサーの育成や、フォーキンの「バラの精」の復元などもしました。

というわけで、その偉大なダンサーをたたえるわけですから、たたえるダンサーもまたすごい!! マリス・リエパ出身のボリショイからはもちろん、ホームのロイヤル・バレエ、またパリ・オペラ座からもプリンシパル達が続々集結!! 中心となったのは、マリス・リエパの子供のアンドリス・リエパとイルゼ・リエパ。アンドリスも偉大なダンサーで、特にアナニアシヴィリとのパートナーシップで有名。今は演出業をしているようで、今回の構成・演出も彼が担当しています。妹のイルゼが現役ダンサーとして引っ張ります。彼女は最近のボリショイ来英公演でも、スペードの女王で圧倒的な存在感見せつけました。

こんなにすごいダンサーたちが集まって、しかも1日だけ。しかも値段がむちゃくちゃ高い~!! 最初その高さにしり込みしていた私。一番安い席買っても見にくかったらあんまり意味ないし~。…と思っていたんですが、やはり誘惑に勝てず、1週間ぐらい前に劇場に行ってみると、まだ結構チケット残ってた。さすがに安い席のバルコニーは売り切れでしたが、ここはちょっと奮発して買っちゃいましたー! Upper Circle(3階席)の後ろのほうですが。

しかも当日は、埋まってたはずの前のほうの席まで結構空いていた。ラッキー!! ということで端っこの後ろから3列目くらいだったのが、かなり前のほうの中央よりまで移動できました。おかげで堪能できました!! しかしこんなに豪華な出演陣で1日限りなのに、ロンドンの人はあんまりバレエ見るのはお好きでないのかな? 日本だったら即売り切れな感じですが…。

アンドリス・リエパの冒頭のあいさつでの、「今日のこのガラ・コンサートは記念すべき特別なものとなるでしょう」という言葉通り、まさしく素晴らしい一夜となりました! その記念すべき一夜のレビューはこの下からどうぞ。

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ちなみに、マリス・リエパってこんな人。(Don Quixote, Act 3, with Maya Plisetskaya)

Programme…ガラなので一つ一つにレビューつけていきますね。

DEDICATION-献身
Ilze Liepa
Music by A. Khachaturian, Choreography by J. Smoriginas

捧げる、といった意味なので父親に捧げているのでしょうか。白のロングドレス・長い黒スカーフを持って裸足で踊るこのソロは、なんとなくマイヤ・プリセツカヤのイサドラを思い起こさせます。(…なーんて、イサドラなんて数秒しか見たことないけど。)でも指先まで行きとどいた表現力は、本当に往年のプリセツカヤのよう。実は、ツィスカリーゼに振りつけられた「スペードの女王」キャスティングの時、振付家のプティがツィスカリーゼに「若い時のプリセツカヤのようなダンサーはいないか」と尋ねたところ、彼がイルゼを指名したというエピソードがあります。音楽はスパルタクスとフリーギアのパ・ド・ドゥの曲を使っています。


ESMERALDA PAS DE DEUX-「エスメラルダ」よりパ・ド・ドゥ
Tamara Rojo, Federico Bonelli
Music by C. Pugni, Choreography by M. Petipa

ロンドンの誇るプリマ、ロホの登場で会場は一気に盛り上がります! ロンドンの観客にとっては、ガラでしか見られないエスメラルダの選曲もうれしいところ。
 相手役のボネリは華はないけどとってもノーブルなダンサー。丁寧にきっちりと踊ってくれるし、スタイルもいいので見ていてとっても気持ちがいい。ジョナサン・コープを思い起こさせます。
 彼に対し華のあるロホは、今回もエスメラルダでテクニックをどんと見せつけます! しかし、アダージオでは、ジプシーの踊りなのでもっとパキッと踊ってほしかったなー、という印象。バランスや回転はいいものの、なんだか全体的にほわーんとして、エスメラルダという感じではなかったような。でもそれはソロで挽回。これでもかとチャキチャキ踊ってくれました。回転の安定は本当にすばらしい。よく日本のコンクールで踊られるヴァリエーションですが、私はどうしてもタンバリンを打つのと音楽があっていないと嫌。コンクールでは足を上げるの重視で音に遅れる人が多いのがすっごく謎なんですが、さすがプロ、足は高く上げても音に合わせるところがよかった。
 コーダではトリプルも混ぜてのフェッテ。のっけから会場を温めてくれました。


THE FIREBIRD-火の鳥
Vladimir Derevianko
Music by I. Stravinsky, Choreography by U. Scholz

ショルツの火の鳥を踊ったのは、古株ダンサーのデレヴィヤンコ。彼はドレスデン・バレエで芸術監督をしていたのでとっくにダンサー引退したのかと思ってました。後でキャスティングを確認したのですが、見ているときは若手ダンサーかと思った!! それくらいまだまだ現役。ちょっと躓いたとこもあったけど、(どうやら床が問題ありだったみたい。)ジャンプも高く、火の鳥ポーズ(ほぼ180度アラベスク・パンシェでルルベ)も難なくこなしていました。


MADAME BOVARY PAS DE DEUX-「ボヴァリー夫人」よりパ・ド・ドゥ
Ilze Liepa, Mark Pretokin
Music by S. Rachmaninov, Choreography by M. Shannon

初めての作品。あんまり聞いたことない。ネオ・クラシックの作品で、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番の2楽章を使ったロマンチックな作品。とても情感あふれる作品で、大技などは少ないけど、イルゼ・リエパの表現力の深さが十分に生かされていた作品。彼女はダンサー以外に女優としても活躍していて、その女優魂を見せつけてくれました。


THE BRONZE IDOL VARIATION-黄金の仏像の踊り(「ラ・バヤデール」より)
Sergei Polunin
Music by L. Minkus, Choreography by N. Makarova

バヤデールから黄金の仏像の踊りを踊ったのは、セルゲイ・ポルーニン。見てる時は、安心して見れたテクニックだったし、なかなか堂々としていたので、ボリショイかどっかのソリストかと思いきや!! ロイヤルの、しかも去年入ったばかりのコール・ド・ダンサー!! 2006年のローザンヌで賞を取ってるみたいですね。キエフ出身なので同じカンパニーのコジョカルと同じ道を歩んでます。すでに今シーズンでこの踊りを踊ってるらしいので、出世街道まっしぐらなんでしょうか? これからが楽しみです。


THE DYING SWAN-瀕死の白鳥
Svetlana Zakharova
Music by C. Saint-Saens, Choreography by M. Fokine

瀕死の白鳥を踊ったのは、ザハーロワ。ボリショイ来英公演ですっかりスターとなり、ロンドンでも人気が高い彼女。しかし、瀕死とはあまりいえない白鳥でした。個人的にもこの作品はあんまり好きではなく、まともに見たのは久しぶり。なんだか若くて生き生きした白鳥…という感じ。瀕死だけど必死に飛び立とうという振りでは、(…そうじゃなかったけか、確か…)なんだか本当にいまにも飛び立ちそうな元気な白鳥という感じがしたので、もうちょっとはかなげな雰囲気がほしかったなー、という印象。もちろん白鳥の体現という意味では美しかったです。


LE CORSAIRE PAS DE DEUX-「海賊」よりパ・ド・ドゥ
Marianela Nunez, Thiago Soares
Music by A. Adam, Choreography by M. Petipa

さて、第1部のトリに登場したのは、ロイヤルのヌネズとソアレス。プログラムではゼレンスキーとヴォストロチナのバヤデールとなっていたんだけど、どうやら変更になったよう。これまたロイヤルではガラでしか見られない作品。とってもよかった!! アダージオではヌネズがとても情緒ある動きを披露してくれたのが印象的。ゆっくりした動きでも指先まで最後まで手を抜かない表現をしてくれた、という意味ではエスメのアダージオを踊ったロホよりもよかった。
 ソアレスも堂々としたアリを披露。欲を言えばもっとはじけて踊ってほしかったですが、回転などのテクニックはさすが。残念なことに照明がリハ不足だったらしく、アダージオ冒頭のジュッテで登場するシーンが暗転のままで、そのまままた舞台へ引っ込む…という悲しい結果に。
 ヌネズのヴァリエーションは、バヤデールのガムザッティの音楽。ジャンプ、回転ともにテクニックはさすが。海賊はガラで踊られるとただの踊りになってしまうんだけど、とっても愛らしい踊りに仕上げていました。
 コーダではヌネズはトリプルも交えたフェッテを披露。まだまだ若手で、今回代役とはいえ、トリにふさわしい華やかで完璧なダンスでした。
 

THE PIQUE DAME EXTRACT-「スペードの女王」より抜粋
Ilze Liepa, Dmitry Gudanov
Music by P. Tchaikovsky, Choreography by R. Petit

第2部のスタートはボリショイの新しい作品から。私の大好きな振付家、ローラン・プティがボリショイのプリンシパル、ニコライ・ツィスカリーゼに振り付けた作品ですが、もはやイルゼ・リエパの伯爵夫人ありきのこの作品。彼女の存在感は圧倒的で、大技などのバレエの見所というべきテクニックはそんなにないのに、表現力で観客を引き込んでしまう作品。リエパはここでも卓越した表現力で、抜粋なのに観客を物語の中へ引き込んでしまった。一方のグダノフは、そつなくこなしていたけど、完全にリエパに食われた感がある。やっぱりツィスカリーゼの「濃さ」がないと物足りないかな…。


LA FILLE DU PHARAON PAS DE DEUX-「ファラオの娘」よりパ・ド・ドゥ
Maria Alexandrova, Sergei Filin
Music by C. Pugni, Choreography by P. Lacotte

またまたボリショイより、人気ペアの登場。今回一番期待していたダンサーたちだったんだけど、選曲がよくなかった…。ど~にも地味なこの作品。アレクサンドロワの華でも補い切れなかった…。音楽も平凡だし。しかも、冒頭でアレクサンドロワがあわや転倒しかける。その後持ち直したものの、なんだか観客もそうだし、踊ってるほうもなんとなくぎこちない雰囲気が残ってしまった…。もったいない!! 「明るい小川」が見たかった!


ONEGIN PAS DE DEUX-「オネーギン」よりパ・ド・ドゥ
Alina Cojocaru, Johan Kobborg
Music by P. Tchaikovsky, Choreography by J. Cranko

最初に言ってしまいます。このガラで最高の作品でした!! クランコのネオ・クラシックの傑作、オネーギン。今回は第1部から、タチアナがオネーギンを想像して踊る幻想のパ・ド・ドゥ。
 コジョカルはかわいい雰囲気があるから、タチアナはどうかと思っていたんだけど、第1部は夢見る少女という感じなのでとてもあっていた。今回は一人ずつどうこういうレベルではない。もう、本当に完璧なダンス!!! プライヴェートでもカップルなだけあって(?)息がどんぴしゃぴったり。特にリフトのシーンでは、そのダイナミックさと流れるような動きの見事さから、思わず観客から感嘆のため息!! 本当にすばらしかった!! 今そのシーンをYoutubeで別キャストで見ていますが、これが本当に同じ振り付けかと疑うくらい全然違う。
 テクニックはもちろんのこと、表現もまた素晴らしい。コジョカルのタチアナはオネーギンと踊れる喜びを体全体で表現していたし、対する幻想のオネーギンもそれを愛情深く受け入れる様が遠くからでも見てとれる。見ていて本当に幸せになれるパ・ド・ドゥでした。
 終わるのが本当にさびしかった。このまま全幕やってくれって感じ。実はこのカップルを生で見るのは初めて。あまのじゃくの私は、あんまり人気のあるこの二人を何となく敬遠してたのです。(どうせ人気ありすぎてチケット取れないし。)でも最近はコボーもけがであんまり踊ってないし、これからは見れるうちに見ておこうと思いました。あー、本当にこの二人で全幕でみたい。クラシックよりも、オネーギンやマイヤリングのようなネオ・クラシックで見たいな。
 ちなみにレヴェランス(お時儀)の時に、タチアナがちゃんとオネーギンに手紙を渡すという微笑ましい場面が。コジョカルのかわいらしいことったら。このオネーギンはちゃんと紳士的に受け取っていました。(笑)

 余談ですが、この週末はとっても悲しいことがあって直前までバレエを見る気分じゃありませんでした…。だけどこのバレエを見た途端、というかこのチャイコフスキーの美しい音楽が、それを一気に吹っ飛ばしてくれました。音楽って、芸術って本当にすごい。


IN THE MIDDLE PAS DE DEUX WITH VARIATIONS-「イン・ザ・ミドル」よりパ・ド・ドゥとヴァリエーション
Agnes Letestu, Jose Martinez
Music by T. Willems, Choreography by W. Forsyth

私が一番期待していたカップル登場~!! 大好きなオペラ座より、ルテステュ&マルティネズ夫妻!! とはいえ、ちょっと演目でがっかり。フォーサイスは、というよりこの作品の音楽があんまり好きではない…。予想どおり、踊りは完ぺきで素晴らしいものの、睡魔に襲われる。表現も特になく、ただ単にテクニックが続く作品。私が最も苦手とする分野。彼らのテクニックは本当にすばらしかったのだけど、とにかく私の頭は睡魔と闘っていました…。無念。


BALCONY SCENE FROM ROMEO AND JULIET-「ロミオとジュリエット」よりバルコニーのシーン
Sarah Lamb, Dabid Makhateli
Music by S. Prokofiev, Choreography by M. Lavrovsky

今度はロミオとジュリエット。表現力の作品だし、何とか持ち直すか!? 踊ったのはロイヤルのラムとマハテリですが、ロイヤルでいつも踊っているマクミラン版とは違い、今回はロシアでロミジュリが初演されたラヴロフスキー版。いつもと違うヴァージョンだからか、ちょっとパートナリングに拙いところが見られるものの、ラムが健闘。マクミラン版とも似た感じがした作品でした。(この感想の少なさが、私が睡魔に襲われていたことを物語る…。)


REVELATION-啓示
Svetlana Zakharova
Music by J. Williams, Choreopraphy by M.Hiroyama

ザハーロワのソロなのに、私の睡魔はピークに。この作品、全く聞いたことがない。どうやら日本人の振付家のようですが、私は知らない…。椅子を使った作品で、どことなくマッツ・エックの作品に似ている。細く長い肢体をうねらせるザハーロワ。なんだかまだしっくりこない印象でした…。もっと踊りこめば板についてくるのかな? やっぱりザハーロワはクラシックでみたいなーと思った私です。


DON QUIXOTE PAS DE DEUX-「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ
Natalia Osipova, Leonid Sarafanov
Music by L. Minskus, Choreography by M. Petipa

大トリを飾ったのは、ボリショイのソリスト、オシポワとキーロフのプリンシパル、サラファーノフ。本当はバジルは、プログラムではボリショイ・ソリストのイワン・ワシーリエフとなっていましたが変更だったみたい。しかしただのソリストを大トリに持ってくるなんて、いかにこの二人の人気が大きいかが計り知れます。
 アダージオでは安定したテクニックを披露。冒頭からはじけて、チャキチャキの街のカップルの踊りという感じ。
 サラファーノフのソロは抜群のテクニックとジャンプで魅せてくれました。何よりも回転の軸がぶれないし安定している。最後のピルエットとトゥール・アン・レール(ジャンプして回転)の連続技は見事!!としか言いようがない。
 お次のオシポワも負けていません。抜群のポワントテクニックを披露した後、コーダのフェッテでは最初の16回をすべてダブルで!! サラファーノフのジュッテ・アチチュードのマネージュ(舞台を円形で回る)では、一瞬ふわっと空中に浮いて止まったように見えるジャンプ力。二人とも長い間待っていた分爆発させたような踊りで大トリを飾りました。


というわけで、普段の学割or一番安いチケットを買ってる私からしたら大出費の一晩でしたが、冒頭のアンドリス・リエパの言葉通り、記憶に残る一夜となったのでした!
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